空白の2ヶ月
‐生きた心地がしなかった‐
無事に骨髄移植が済んだのも束の間、1週間後には移植後の副反応が出始める。
吐き気、腹痛、発熱、下痢。免疫力が著しく低下しこのどれか1つの症状だけでも体はいっぱいいっぱいなのに、次々と負担が押し寄せてきた。
移植後の副反応が特に強く表れたこの2ヶ月間。1日を通して体を起こして過ごした時間など1時間もあっただろうか…。そのぐらいこの期間は生きている心地がしないほど辛く苦しい時間だった。毎日が寝たきりの生活。薬を飲むための水分でさえ体は受け付けようとせず、飲んだ直後に吐くことも普通かのようにあった。
この頃、僕の体調を気遣って母が病室に泊まり込みサポートしてくれた。
自力で体を起こすのも困難な自分。吐き気を感じトイレに急ごうとするが間に合わないことも。「やってしまった…」という感情すら湧いてこず、とにかく‘‘生きる‘‘ということだけが精いっぱいの状態だった。
発熱は38℃以上が連日。
枕元に置いてあるスマホには家族や友人から毎日のようにLINEがきたが、近くにあるはずのそのスマホにはまるで手が届く感じがしなかった。少しの光、少しの音も気に障り何もしたくない。そんな状況の中でも僕の体は少しずつ前に歩みを進めた。
寝る間も惜しんで看病にあたってくれた母親。
自分の身体さえ本調子でなく大変な中付き添ってくれた父親。(4年前に他界)
両親には感謝してもしきれない。
2人が居なかったら僕は病気を乗り越えられなかったよ。本当にありがとう。